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【書籍紹介】13歳からの地政学 世界の出来事の背景がよく分かる良本

1日で一気に読破してしまいました。

それくらい読みやすく、面白い今ベストセラーで話題の本。今回はそのご紹介です。

 

地政学と聞くと小難しいように思えますが、物語形式で小説のように読みやすく、独自の世界観にグイグイ引き込まれます。

主な登場人物は3人。

  1. 主人公の大樹(高校1年生)
  2. 大樹の妹である杏(中学1年生)
  3. カイゾクと呼ばれるおじさん(アンティークショップの店主)

県内トップの公立高校に通う秀才である大樹。成績はいいものの、最近勉強のする意味を見出せず考えながら歩いている時、ふと立ち止まったアンティークショップの地球儀に目が留まり、そのお店の店主から声を掛けられるところから物語が始まる。

その風貌(片目に眼帯している)から近所の学生にカイゾクと呼ばれ、気味悪がられている店主。でも実は優しい人で、話を聞いていると世界について、歴史について、地理について、物凄く詳しい。

 

妹の杏もカイゾクおじさんの話に興味深々。地球儀が欲しくなった大樹はいくらか尋ねると、カイゾクおじさんから7日のレッスンのあと、クイズを出すので正解することが出来たら地球儀をタダであげるけど挑戦してみるかと打診される。もちろん大樹は応じる。

 

その7日にわたるレッスンでカイゾクおじさんから教えてもらう世界中の事実としては知っているけど、それがどうしてなのか分からない事象につき、その背景を分かりやすく教えてもらう。

 

ストーリーが秀逸で、どんどん引き込まれます。そうだったのか!と目から鱗のことばかり。今回はその中で特に面白かった話を3つピックアップします。残りは是非、本書を手に取って読んでみて下さい。

海を支配する最強の国

地球儀は丸くて青い

なぜ青いのか?そう、それは地球は7割が海だから。グローバル社会となり世界中の経済が貿易で繋がっています。実は世界中の貿易の9割以上が海を通っている。つまり船で運ばれている。

アメリカが超大陸と言われているのは、世界最強の海軍を持ち、世界の船の行き来を仕切る国だから。

毎年10兆円以上のお金を投じ世界各地の海に軍艦を展開。もしどこかの国とトラブルになった場合、海をおさえていれば、その国も貿易を止めることが出来、食料・生活用品の購入が出来なくなる。

アメリカは戦争になったとき勝てるよう、海を見張っていて、それが出来るからこそ世界で一番強い国なのだ。

なお、9割が船を使った貿易なのは、陸路での貿易には障害が多いため。

  • 陸路だと交通インフラが整っていない場所も多い(ロシアの極東地域など)
  • 色んな国を通るのにかかる税金
  • 手続きが大変でスケジュール通りに運べない

よって世界の大陸のなかでも、安定して確実にものを運べる可能性が高い船が選ばれる。

中国の防犯カメラは何のため

僕も中国に住んでいたことがあるので、中国の監視カメラの多さには最初驚きました。

これ程の防犯カメラは何のためにあるのでしょうか?

 

それは表向きには国民、中国全土の安心安全のため。犯罪者が逃亡しても監視カメラで追い続け、どこへ逃げても捕まえることが出来ます。

但し他にも目的が。それは政府にたてつく行動を減らすため。スマホのメッセージ、検索記録、位置情報も全て中国政府が見れるようになっています。

 

目に見える情報だけでなく、普段僕らが何気なく使っているネット情報も監視対象なのです。だから安易に政府批判をネット上ですれば、警察が自宅に来て逮捕されることもざら。

スマホは便利な反面、GPS機能もあり、盗聴もされてしまいます。中国の人はそれを理解し、安易に政府批判や自分が不利になるような行動は行わないのです。



なぜ大きな国の人々は外国語が下手なのか

カイゾクおじさんは2人に問いました。

「小さな国が自分を守るためには、ある職業が非常に大事になる。それはどんな職業だと思う?」

答えは、外国とのもめごとを話し合いで解決する人、外交官。

 

戦争をしないための話し合いは物凄く大事。なぜなら小さな国は大きな国と戦っても勝てないから。小さい国は軍事力が弱いだけなく、国際会議でも軽んじられる傾向がある。

こういう背景があり、大きな国と比べてハンデがある環境にいるからこそ、小国の外交官はとても優秀でなくてはいけない。当然のように複数の外国語をマスターしている人も珍しくない。

 

多くの日本人が外国語を話さないのは、日本人が恥ずかしがり屋、内向きな性格というのもあるかもしれないが、大きな理由は話す必要が無かったから

日本は人口が1億人を超える豊かな国で、経済の大きさは世界3位。英語を含む外国語を話せなくても国内経済も大きいので、何とかなった背景があり前述の小国の外交官のような必死さは必要なかった。

 

大樹は「日本のように大きい国はラッキーだね。勉強しなくていいから」と発言。

それに対しカイゾクおじさんは、そうでもないと言う。その理由は外国語を勉強する事はその国の言葉だけでなく、考え方や文化を知ることであり、それと比較して自分の国を理解することでもあると説明。

自分が大きいと、ほかの国に目が向きにくくなる。大きくて力がある国なのに、誰にとってもマイナスになって理にかなわないことをしてしまうのはこういう背景があるのだと。

カイゾクおじさんは日本もこの病気にいくぶんかかっていると警告を鳴らす。

 

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感想

まだまだはっとさせられた、新たな気づきを受けた話が本書には沢山詰まっています。是非ご自身で読んでみて下さい。きっと視野や世界観が広がり、今まで興味がなかった事象についても知りたい!と思うようになるはずです。

 

最後に、カイゾクおじさんの素晴らしい言葉で締めくくりたいと思います。

  • 恩というのは世話になった人に返すものではない。ほかの人に自分が受けたこと以上のことをしてあげることで返すものなんだ
  • この言葉は私の頭から離れることなく、私はその後の人生で何かできないか探り続けてきた

強烈に印象に残った言葉でした。カイゾクおじさんも恩師から受けた言葉。

僕もこれまで両親、先生、友達、仕事の仲間、数多くの人から沢山の恩を受けて育ってきました。この沢山の恩を自身が成長して、家族や周りの人たち、そしてこれから出会う新しい人に何かしら恩返し出来ていけたらと思います。

こういう素晴らしい言葉との出会いも本を読む醍醐味ですね♪


 

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みるきぃ
東証1部企業に勤めるサラリーマン。 倹約が得意でコツコツ資金を増やしアッパーマス層に突入。 自身の経験を活かし、経済やお金の情報、お役立ち情報などを発信しています。 FP2級保有。米国・英国への留学経験あり。5年程中国・台湾で仕事もしていました。